一次手術が終わると、その後に治癒期間を設定します。
インプラント、すなわちチタン製の人工歯根がその周囲の骨と接合するための期間です。
骨というのは、硬くていちどいじったら元には戻らないのではないと言うようなイメージを持っておられる方もいらっしゃるかも知れませんが、例えば骨折をした場合、折れて離れた骨を元の位置に戻したら(必要に応じて金属などを使って固定しますね)、あとは患部が動かないようにギプスで固定して治癒を待ちます。
これは、医師の外科的技術そのものが骨折を直したのではなく、あくまで骨自身がその治癒能力をもって再び接合するのです。
オッセオインテグレーション(骨癒合)と言います。
このことを考えれば、顎の骨に埋入したインプラントも、時間が経つとともにその周囲の骨組織と馴染むのも不思議ではありません。
ここで、しっかりと土台が固まらなければなりません。
この治癒期間の長さはインプラントの埋入部位や治療を受ける人個人個人の骨の質によって変わります。
治癒期間の間は治療途中の状態で暮らさなければなりませんが、必要に応じて仮の歯を入れることも出来るので、日常生活に支障を来すことはほぼないと言えるでしょう。
家を建てるのでも、基礎工事に時間をかけます、と言うよりも時間をかけなければ良い基礎は出来ません。
家を建てる土地の地盤を検査して、何メートルの深さまで基礎を打つかと言うようなことをケースバイケースで専門家が施主と良く相談をして決定していきます。
これは、その地盤にどんな家を建てるかによっても変わってきます。
考えてみれば歯のインプラント治療もこれととても良く似た作業だと言えますね。
作るものの形や大きさはもちろんずいぶん違いますが、どちらも「一生モノ」であり、今後の人生に、日常生活に大きく影響してくるものであるという点でも同じです。
家を建てる場合の基礎工事が終わったら、基礎が固まるまでの間しばらく養生をします。
インプラント治療のこの治癒期間もまさにその建設現場の養生のようなフェーズであると言えます。
先を急いでも良いことはないのですね。
ここは治癒のための期間だと割り切って、焦らずじっくりこの期間を過ごしましょう。
